和歌山県白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」で14日、今年2月に28年間暮らした同園から中国に返還された雄のジャイアントパンダ「永明」の31回目の誕生日を祝うイベントがあった。ファンら約500人が参加し、永明の近況を紹介する映像を見守った。
永明は1992年に中国で生まれ、94年に来園。今も園で暮らす良浜（ラウヒン）（23歳）など2頭の雌との間に16頭の子供をもうけ、「ビッグダディ」として親しまれた。「飼育下で自然交配して繁殖した世界最高齢のジャイアントパンダ」の記録を持ち、人間に換算すると90歳を超えているという。
園内のビッグオーシャンであった誕生祭には、永明が暮らす中国四川省の成都ジャイアントパンダ繁育研究基地から劉龍副書記も参加し、基地の特徴などを説明。永明の映像も大型モニターに流れ、竹やタケノコをもりもり食べて環境に順応していること、白内障のため日常的に目薬をさしてもらっていることなどが紹介された。永明と共に中国に旅立った双子の娘、桜浜（オウヒン）と桃浜（トウヒン）（共に8歳）などの近況映像も流された。
イベントに参加した大阪府の会社員、山口ゆかさん（49）は「コロナ禍の時には本当に永明に癒やしてもらった。元気な姿が見られて、うれしくて泣きそうになりました」と話した。【竹内之浩】
