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工藤会ってどんな組織? 北九州の「武闘派」 過去に山口組と抗争


 Q 「工藤会」って、どんな組織なの?

 A 北九州市に拠点を置く暴力団です。福岡県警によると、1946年ごろに結成されました。「武闘派」として知られ、過去には、北九州に進出を図った日本最大の指定暴力団(現在は特定抗争指定暴力団)・山口組(神戸市)と抗争を繰り広げたこともありました。

 Q 他の暴力団と何が違うの?

 A 全国で唯一、「特定危険指定暴力団」に指定されています。工藤会は2000年代以降、凶暴性を増したと言われ、みかじめ料(用心棒代)の要求を拒んだ企業や、警察が進める暴力団排除(暴排)活動に協力的な一般人らを標的とした襲撃事件などを繰り返すようになりました。

 03年には、地域の暴排団体のリーダーが経営していた北九州市のクラブ「ぼおるど」に工藤会系列の組員が手投げ弾を投げ込み、従業員ら十数人が負傷する事件が起きました。12年には、暴力団組員の立ち入りを禁じる暴排標章を掲示した飲食店への放火や、店関係者への切りつけ事件が相次いで発生。元工藤会系組員が管理する倉庫からは、ロシア製の対戦車用ロケット弾発射装置が見つかりました。

 12年12月、福岡県公安委員会などは改正暴力団対策法に基づいて工藤会を特定危険指定暴力団に指定しました。規制が強化され、関連の組事務所がある地域などを「警戒区域」とし、区域内で組員が用心棒代などの不当要求をした場合には、警察が即逮捕できるようになりました。指定は1年間で、これまでに10回延長されています。

 Q 警察はどんな対策をしてきたの?

 A 福岡県警は14年9月、工藤会壊滅を目指す「頂上作戦」に着手し、組織トップで総裁の野村悟被告(76)や、ナンバー2で会長の田上不美夫被告(67)ら幹部を相次いで逮捕しました。両被告は、98年に元漁協組合長が射殺された事件など市民が襲撃された4事件で殺人罪などで起訴されました。

 事件では、両被告の関与を裏付ける直接的な証拠はありませんでしたが、福岡地裁は21年8月、「上位者の指示は絶対だ」とする工藤会の強い組織性などを背景に野村被告を「首謀者」と位置付け、実行役との共謀を認定。野村被告に死刑、田上被告に無期懲役を言い渡しました。指定暴力団のトップが死刑判決を受けたのは初めてとみられます。両被告は判決を不服として控訴し、9月13日から福岡高裁で始まる控訴審の行方が注目されています。

 Q 多くの幹部が逮捕された工藤会は今、どうなっているの?

 A 県警によると、工藤会の勢力は08年のピーク時、準構成員などを含め、福岡県内で1210人でしたが、頂上作戦が始まった14年末で790人、22年末時点では約320人に減っています。頂上作戦以降、撤去が確認された組事務所も25カ所に上っており、弱体化が進んでいます。

 一方、勢力を伸長しようとする動きもみられます。県警は、以前から首都圏に進出していた工藤会の2次団体「長谷川組」が近年、東京などで「半グレ」と呼ばれる若者を引き入れ、ヤミ金融など違法な資金獲得活動を繰り返している可能性があるとみて警戒を強めています。

 福岡県内では、13年12月に北九州市若松区で市漁協組合長の男性(当時70歳)が射殺された事件など、工藤会の関与が疑われながら未解決の事件も複数あります。ある県警幹部は「工藤会対策はまだ道半ば。壊滅させるまで手を緩めない」と話し、今後も警察と行政、市民が一体となって暴排の努力を続けることが重要だとしています。

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