岸田文雄首相は9日、インドで始まった主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出に関し、中国を念頭に「一部の国が日本産水産物の輸入を全面的に一時停止するなど突出した行動を取っている」と述べた。
首相は海洋放出について「国際基準、国際慣行にのっとり、安全性に万全を期した上で実施されている」と説明し「モニタリングしたデータを迅速かつ透明性高く公表しており、科学的観点から何ら問題は生じていない」と強調した。
今後も国際原子力機関(IAEA)などの関与を得て、データの信頼性を客観的に確認していく考えを示した。【ニューデリー村尾哲】