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高騰するガソリン価格、地域差のワケは? 最高は長野、最安は岩手


 原油高や円安によるガソリン価格の高騰が止まらない。経済産業省が30日に発表したレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格(28日時点)は185・6円で、統計が残る1990年8月以降で過去最高値を更新した。全国で市民生活を圧迫しているが、都道府県ごとの平均価格を比べると、最高値の長野県と最安値の岩手県で1リットル当たり10円以上の開きがある。なぜ価格差が生じるのか。

 「車がないと生活できない。高いのは困っちゃう」。福岡市中央区のガソリンスタンドで給油をしていた札幌市の会社員、浅村亮彦(あきひこ)さん(56)は価格の高さを嘆いた。九州を旅行中といい「普段は1円でも安いところを探している。北海道の方が安く感じますね」と話した。

 経産省によると、レギュラーガソリン1リットル当たりの平均小売価格(28日時点)が都道府県別で最も高いのは長野の194円。これに、鹿児島191・6円▽長崎191・1円▽山形190・8円▽大分189・2円――が続く。福岡は25番目の184・9円、北海道は33番目の183・3円で、最も安いのは岩手県の180・9円だった。

 地域別にみると九州が187・6円で沖縄を除く他の7地域より高い。理由について、九州経済産業局の担当者は「製油所からの距離が遠いほど輸送コストが上がって価格も上がる傾向がある」と解説する。

 製油所は太平洋側の大都市圏近くや瀬戸内などに点在し、九州には大分県にしかない。さらに鹿児島、長崎の両県は離島が多くドラム缶に詰めて船で運んでおり、国の支援制度はあるものの、両県の平均価格を引き上げている。鹿児島県の調査では離島平均が本土平均より10円前後高い。

 そうなると気になるのが県内に製油所がありながら全国で5番目に平均価格が高い大分県だ。県庁にも「なぜ高いのか?」と県民から度々疑問が寄せられるというが、県の担当者は「明確な理由は正直、分かりません」と困惑する。

 「大手の参入が少なく家族経営などの小規模事業者が多いため、価格競争が働きにくい」と指摘するのは同県のガソリン業界関係者だ。「需要が減り続ける中、どうしても利益を確保しなければならない。『高い』と言われるのはうれしくないですが……」と嘆く。

 一方、全国で最も高いのは長野県だ。鉄道での輸送が多く、タンクローリーとの両方を使うためコストが高くなっているというのが一般的だ。桃山学院大の小嶌正稔教授(石油流通論)は他に、ガソリンを貯蔵する油槽所の一部が廃止されたことによる輸送コスト増▽販売量の少なさ▽店員が給油するフルサービス店の多さ▽山間部かどうか――なども要因に挙げる。

 ただ、価格差はいろいろな要因で左右され、消費者に見えにくい点が少なくない。価格が高い地域では少しでも安い地域に行って給油する“越境給油”をする人もおり、小嶌教授は「ガソリン価格が高いとされる都道府県は独自に価格調査をするなど対策を取るべきだ」と話している。【平川昌範、山口響】

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