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学長が突然“出入り禁止”に…「ヒロアカ」作者輩出の大学で何が


 学内への侵入を禁止します――。名古屋芸術大(愛知県北名古屋市)の竹本義明学長(74)は5月、大学を運営する学校法人から、こんな通告とともに職務停止処分を受けた。竹本学長が法人側に処分無効と慰謝料を求める法廷闘争に発展。「僕のヒーローアカデミア」の漫画家・堀越耕平さんやラッパー・呂布カルマさんら著名人を輩出する大学で一体何が起きているのか。

 竹本学長が訴えたのは、学校法人「名古屋自由学院」と川村大介理事長ら。竹本学長は22日、学長職務執行停止の無効や慰謝料など損害賠償1100万円の支払いを求め名古屋地裁に提訴した。

 記者会見した竹本学長や訴状によると、竹本学長宛てのメールに、川村理事長名の5月9日付の「理事及び学長の職務執行停止通知書」が届いた。通知書では、大学運営を巡って竹本学長の言動が今までの功績から乖離(かいり)しているとし「最終的には心身に故障を抱えていると判断した」と指摘。「学院から指示があるまで学内に入ることができません」と通告している。

 突然の学内への「出入り禁止」通告を受けた竹本学長は「理事長が次期学長に推す候補者と、別の候補を推していた私の動きを封じる目的としか考えられない」と説明する。

 大学では竹本学長の任期が来年3月31日に迫る中、次期学長の人選が焦点となっていた。学長任期は4年で、10年から就任した竹本学長はこれまで再任を繰り返してきたが、今期限りで退任する意向を示し、次期学長には特別客員教授の男性を推していた。

 これに対し、川村理事長は別の特別客員教授の男性を起用したい考えを大学幹部らに伝えていた。そんな川村理事長に対し、竹本学長は「(理事長の推す男性は)大学のブランド化には適任だが、それ以外の事業計画は学内がしっかりしないと難しい」「理事長が学長を兼任してはどうか」などと具申していた。

 大学幹部は4月の学長候補者選考委員会で、川村理事長が推す候補者に加え、竹本学長らが推す候補者を推薦しようとしたが、川村理事長らが拒否。そのため選考委は川村理事長の推す候補のみを理事会に挙げ、7月に選任された。

 竹本学長は訴状で「理事長の意向に沿わなくとも教学を代表して意見を述べることは当然で、それを理由に職務停止することなどあってはならない。理事会審議を経ない職務停止命令は手続き違反で無効」と主張。学長不在により、学校教育法や学内規則で学長職務として定められている単位や学位の授与も執行できないとして「学生の将来に関わる問題が放置されている」としている。

 22日に記者会見した竹本学長は「大学の自治、教育の自主性が侵されている」と訴えた。学校法人の広報担当者は「竹本先生の体調を配慮しての対応」と説明。単位や学位の授与については「理事長が対応しているので学生に何ら支障はない」と話している。【川瀬慎一朗】

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