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「“川ナメんな感”バシバシ」 水難事故防止へ岐阜県の熱い回答が話題


 <Q 付き合っている彼女と河川敷でキャンプをする予定です。川では少しは水遊びをするかもしれませんが、泳ぐつもりなどありません。それでも、ライフジャケットは必要ですか?>

 日本有数の清流として知られる長良川など多くの河川がある岐阜県。現実にありえるシチュエーションをQ&Aで紹介し、事故防止を訴える県のホームページがSNS(ネット交流サービス)で話題を集めている。

 県内外からレジャーに訪れる人が多く、川に入りたくなるものだが……。冒頭のQには、容赦なく断じる回答が続く。

 <A ライフジャケットが絶対に必要です。川を甘く見ると重大な事故につながります>

 さらに綿密なシミュレーションを紹介する。

 <川底は藻でヌルヌルしていることがあり、彼女が滑って転んで川に流されてしまうかもしれません。(中略)転ばなくても、彼女のサンダルが脱げて流され、そのサンダルを追いかけて彼女が川に流されてしまうかもしれません>

 まるで見てきたかのように細かい情景描写がさらに続く。

 <流される彼女を見て、あなたも助けようと川に飛び込むかもしれません。そのとき、あなたもライフジャケットを着用していないと、溺死する可能性が高くなります。このような状況で助かる可能性は非常に低いと言わざるを得ません>

 最後にこう釘(くぎ)を刺す。

 <楽しかったはずの彼女とのキャンプが最悪の結果となります>

SNS「川ナメんな」感バシバシくる

 岐阜県は毎年水難事故が多発している地域でもあるだけに、その切迫感ある書きぶりにSNSでは「川を泳ごうとする者の甘い考えをたたきのめす強さがある」「『川ナメんな』感がバシバシくる」と一読を勧めるコメントが相次いでいる。

 河川課水政係の担当者は「ただ呼びかけるより、具体的なケースを挙げながら川に関する知識や危険性を簡単に、楽しみながら分かりやすく発信することに力を入れました」と話す。

 2020年度からQ&A方式で事故防止を呼びかける啓発スタイルになった。当初は30問ほどだったが、係の職員たちがアイデアを出し合い、67問にまで増えた。

「未着用は自殺行為」

 特にしつこいほど訴えているのは、ライフジャケットの着用だ。

 <100%安全ではないが溺死リスクを低減する>と強調し、<着用せずに川に入ることは自殺行為と言っても過言ではありません>とまで断じる。

 とはいえ、ライフジャケットの重要性は認識していながらも、なかなか着たがらない人も多いだろう。

 <Q 子どもには、自然と触れ合ってたくましい子に育ってほしいと思っているので、川遊びをする際に、贅沢(ぜいたく)なライフジャケットに頼るのは違和感があるのですが?>

 <Q 川遊び程度でライフジャケットを着用するのは、何だか恥ずかしいような気がするのですが?>

 ライフジャケット着用をためらうそんな質問にはエビデンス(根拠)で説得する。

 岐阜県が20年8月10日午前に県内で多くの水難事故が発生する長良川の特定の場所で目視調査した結果、川に入っている人のライフジャケットの着用率は70%だったと説明する。

 <A 贅沢どころか、最低限の水難事故リスク対策>

 <A 慣れれば当たり前になります>

 質問者を諭して、こう断じる。

 <「川に入るときはライフジャケットを着用する」という安全意識が社会に広まりつつあります。川の「これまでの常識」は、急速に変化しています。「川ではライフジャケットを着用する」が、新たなスタンダードです>

担当者の熱い思い

 担当者は思いは熱い。質問の中にも事故防止への決意が込められていた。

 <Q どうして水難事故防止の啓発をおこなっているのですか?>

 <A 水難事故で亡くなられた方のご遺族やご友人の悲しみは一体どれほどでしょうか。痛ましい水難事故をなくすため、岐阜県は一丸となって啓発に取り組んでいます>

 詳しくは、岐阜県河川課のホームページ「水難事故等に関するQ&A(よくある質問)」(https://www.pref.gifu.lg.jp/page/27330.html)。

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