近畿地方を縦断した台風7号は16日、勢力を保ったまま日本海を北上した。通常の台風は勢力を弱めたり、温帯低気圧に変わったりすることが多い。なぜ台風のままでいられるのだろうか。
気象庁によると、台風7号は16日正午には能登半島の北西の日本海を北上しており、中心気圧は990ヘクトパスカル。その後も台風の状態を保ったままほとんど勢力を落とさず、17日正午には北海道の西の沖合に達する見込みだ。
この時期は、日本の東にある太平洋高気圧の勢力が強くなっている。このため、台風7号は太平洋高気圧のへりに沿って日本海を北上するルートを取っている。
台風のエネルギー源は、暖かい海から供給される水蒸気だ。海面水温が28度以上あると発達するとされる。気象庁によると、秋田沖以南の日本海の海面水温は平年と比べて3、4度高く、29度前後もある。このため台風は勢力を維持できるのだ。
気象庁によると、台風7号は17日夜に北海道の西から北で温帯低気圧に変わるとみられるが、勢力はほぼ維持する見込みだ。
温帯低気圧は暖気と寒気がぶつかって発達するため、台風と違って前線を伴う。中心だけでなく周囲でも風が強まる可能性がある。
気象庁の担当者は「温帯低気圧に変わると警戒心が薄れてしまうが、大量の水蒸気が北日本に流れ込んで大雨になる可能性がある」と話し、引き続き強風や大雨に警戒や注意を呼びかけている。【垂水友里香】