処理水巡る韓国ネットメディア報道 官房長官「事実無根」と非難

　松野博一官房長官は15日の記者会見で、韓国の革新系インターネットメディアが東京電力福島第1原発処理水を巡り日本外務省の公電とされる文書を報じたことについて、「内容は事実無根だ」と述べた。報道では処理水の放射能濃度が基準を大幅に超過したなどとする内容が公電に記されていたとしているが、松野氏は「公電とされる文書は全くの偽造だ」と強調。「偽情報やその流布に断固として反対する」と非難した。

　外務省によると、このネットメディアは14日、「処理水の放射能濃度が基準を大幅に超過したため、処理水の希釈を加速し、安全基準を満たす」などと記された日本外務省の公電とされる文書を報じた。松野氏は会見で「手段を選ばない悪意のある偽情報の拡散は、我々の社会が基盤を置いている自由や民主主義といった普遍的価値に対する脅威だ」と指摘。「被災地の復興を妨げ、被災地の人々の感情をも大きく傷つけるものだ」と批判した。【古川宗】