学生寮で覚醒剤と大麻を所持したとして逮捕された日本大学アメリカンフットボール部の男子部員が逮捕前、警視庁の任意聴取に「覚醒剤は大麻を買った際におまけでもらった」という趣旨の説明をしていたことが、捜査関係者への取材で判明した。警視庁薬物銃器対策課は、密売人が大麻の購入客に覚醒剤を配り、試用させていた可能性があるとみて入手経路を詳しく調べている。
捜査関係者によると、逮捕された日大3年の北畠成文容疑者(21)は7月6日、アメフト部の寮(東京都中野区)の自室で、覚醒剤を含む固形物約0・198グラムと乾燥大麻約0・019グラムを所持した疑いがある。
容疑者は逮捕前、警視庁などの調べに、覚醒剤と大麻が自分の所持品と認めた上で「大麻は自分で購入した。覚醒剤をおまけでもらったが、使用していない」という趣旨の説明をしたという。
覚醒剤は錠剤のかけらのような形をしていたとされ、薬物銃器対策課は使用実態を調べるとともに、入手経路の特定を急ぐ。
日大アメフト部を巡っては、大学側は8日に開いた記者会見で、2022年11月下旬に部員の一人から「大麻と思われるものを7月ごろに吸った」と指導陣に申告があったと明らかにした。そのうえで、警察関係者に相談したが「物的証拠がなく、立証は困難」などと回答があったと説明していた。
ただ捜査関係者によると、日大側はアメフト部指導陣の知人で日大出身の警察官に個別に相談しただけで、警視庁への通報はしていなかったとされる。日大側から接触を受けた警察官は部員の申告など具体的な内容も聞かされておらず、日大側には警視庁に正式なルートで相談するように促したという。【遠藤龍】