ペロシ前米下院議長「中国はひきょう」 台湾訪問1年で声明

　ペロシ前米下院議長（民主党）は2日、昨年8月に台湾を訪問してから1年を迎えたのに合わせて声明を出した。台湾に対して継続的に軍事活動を活発化させる中国は「ひきょうであり、黙っているわけにはいかない」と批判した。

　ペロシ氏は「台湾との相互の安全保障や価値観の共有、経済的成功に対する米国の揺るぎない関与を示した」と訪問の意義を強調。台湾の蔡英文総統が4月に訪米し、マッカーシー下院議長（共和党）と会談したことを挙げ、この1年で超党派による米台の交流が活発化したと自賛した。

　その上で「世界が民主主義か専制主義かいずれかの体制の選択に直面している」と指摘。「台湾との連帯は変わらずに重要だ」と訴えた。

　ペロシ氏は米国の現職下院議長（当時）として25年ぶりに台湾を訪問した。台湾を領土の一部とみなす中国は猛反発し、台湾周辺での大規模な軍事演習を実施。米国との軍事分野での対話などを停止した。

　今月中旬には台湾の頼清徳副総統が米国に立ち寄って南米パラグアイを訪問する予定だ。中国政府は「米国と台湾の当局者による、いかなる形の往来にも断固反対する」とけん制している。【ワシントン鈴木一生】