ミャンマーでの2021年2月のクーデターで実権を握った国軍は1日、民主派指導者のアウンサンスーチー氏（78）やクーデター前の政権で大統領だったウィンミン氏（71）への恩赦を発表した。両氏はクーデター後に汚職など複数の罪で有罪となったが減刑された。仏教の祝日に合わせた措置で、少数民族武装勢力のメンバーらを含めて7749人が対象となった。
スーチー氏は汚職や国家機密を漏らした罪など19件で有罪となり計33年の刑期を言い渡されていた。高齢のスーチー氏にとって事実上の終身刑ともいえる。恩赦でうち5件が減刑され、刑期は計27年になった。ウィンミン氏は刑法違反など8件で有罪となり刑期は計12年だったが、うち2件が減刑され計8年となった。
スーチー氏は非公開の特別法廷で審理中、首都ネピドー周辺の施設に収容され、身の回りの世話を受けながら生活していたとみられるが、22年6月に刑務所に収監された。最近になって刑務所から政府関連施設に移送されたという報道があり、自宅軟禁になるのではとの観測もあったが国軍は言及しなかった。
国軍は7月31日に非常事態宣言を6カ月延長。国軍の強権支配を長期化させる一方、スーチー氏らへの処遇を緩和し、国内外からの非難を和らげようとするとの見方が出ていた。【バンコク武内彩】
