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トンネルで大規模施工不良 業者、書類改ざん 和歌山県も確認不足


 和歌山県は27日、今年12月に供用予定だった那智勝浦、串本両町境の八郎山トンネル工事で、内壁のコンクリートが規定より薄い施工不良があったと発表した。内壁は最低30センチの厚さが必要だったが、最も薄い部分で3センチしかなく、空洞も広範囲に広がっていた。請負業者2社の費用負担で補修工事などを行うが、供用開始は大幅に遅れる見込み。県の担当者は「ここまで大規模な施行不良のトンネル工事は異例ではないか」と話している。

 八郎山トンネルは県道長井古座線にあり、長さ711メートル、幅6・5メートル。県内大手の建設会社「浅川組」(和歌山市)と「堀組」(田辺市)のJVが一般競争入札で受注した。工事費は約20億円で、完成後の22年9月に県へ引き渡した。

 しかし、同年12月に別業者が照明を取り付けるため天井に穴をあけたところ、その部分の内壁の厚みが3センチしかなく、内部に空洞があるのを発見。2社が県に提出した書類では県発注通りに厚さ30センチ以上あるとされていたが、今年3~5月の天井部分へのレーダー探査で、7割程度に厚さ不足や空洞があったことが分かったという。

 工事は内部にかまぼこ型の型枠をはめこみ、地山との隙間(すきま)にコンクリートを流し込む工法だったが、隙間不足や不十分な充てん作業で空洞が発生した可能性があり、厚さ不足は掘削不足や測量の誤りなどが考えられるという。

 県は提出書類を改ざんしたとして、2社を今月27日から6カ月間の入札参加資格停止とした。業者は工事中に施工不良を認識していたが対応を怠ったことは認めているという。

 県によると、トンネル全体の強度は鉄骨などによって保たれているが、内壁の施工不良により風化や地震などによるひび割れでコンクリートが落下しやすくなるという。県は専門家を交えた技術検討委員会を立ち上げ、補修工事の方法を決める。

 一方、県の規定では県発注工事では、業者から工程完了ごとに申請を受け、職員が現場で確認するが、内壁工事では68回のうち3回しか確認せず、施工不良を見落としたという。

 記者会見した県土整備部の福本仁志部長は「工事期間での県職員の立ち合い確認が不足していた。申し訳ない」と陳謝した。同部の担当者は「業者から連絡がなかった際にそのままにして確認をしていなかった」と説明し、トンネル工事での現場確認の徹底を周知したという。【加藤敦久、橋本陵汰】

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