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口座情報聞き出し「通帳を郵便ポストに入れて」 特殊詐欺、巧妙化


 電話で口座情報を聞き出した後に通帳を被害者宅の郵便ポストから回収し金を引き出すなどの特殊詐欺被害が増加している。島根県警は警戒警報を出して県民に注意を促し、鳥取県警はNTT西日本と連携協定を結んで啓発活動に乗り出した。同県警は「こんな手口でなぜだまされるのかと思うが、それだけ犯人は言葉が巧み。口座番号や暗証番号は絶対に教えてはいけない」と呼びかけている。【阿部浩之】

 鳥取県警によると、米子市に住む一人暮らしの70代女性は5月31日、NTTドコモ社員や実在しない東京中央警察署の刑事を名乗る男から「携帯電話が犯罪に使われている」「犯人が(あなたの)通帳を持っていて、400万円の入金が確認された。捜査する必要がある」と電話で言われた。

 女性に心当たりはなかったが、その後も言われるままに定時連絡をし、5日後は検察庁職員役の男から優先捜査をする名目で預金残高や暗証番号などを聞かれた。

 6月7日は通帳とキャッシュカードを自宅郵便ポストに入れておくよう指示され、外付けポストがなかった女性は、玄関横の室外機上に通帳2通とカード2枚入りの封筒を置いた。封筒は同日中になくなり、関西の現金自動受払機(ATM)からカード2枚で計1500万円が引き出されているのを県警が確認した。

 倉吉市の60代女性は6月上旬、警察官を名乗る男に電話で「暴力団の麻薬事件の金を隠す口座となっていて、400万円が振り込まれている。(女性を)共犯者として捜査している」と言われ、定時連絡をするよう指示された。

 その後、検事役の男から「口座を捜査する必要がある」と言われ、指示されるまま封筒入りの通帳5通とキャッシュカード5枚を自宅郵便ポストに入れた。封筒はその日のうちになくなっていた。7月7日に通帳の金融機関から「不正が疑われる」と連絡があり、県警が3400万円の被害を確認した。

 同県内では今年に入り6月末までに特殊詐欺事件が33件(前年同期比9件増)確認され、約8579万円(同約3837万円増)の被害が出た。被害者の8割超が60代以上だった。

 島根県でも5月末現在で22件(被害額約5888万円)あり、件数は前年同期比2件減だが被害額は2618万円増えた。岡山県は5月末現在で68件あり、前年同期より12件少ないが被害額は約410万円多い約1億7550万円に上る。

 島根県警は7月5~11日、「特殊詐欺警戒警報」を県全域に発令し注意喚起した。鳥取県警は12日、NTT西日本鳥取支店(鳥取市)と連携協定を結び、非通知でかけた場合は、番号通知してかけ直すよう音声で求めるNTTのサービスを県民に普及させる取り組みを行うことにした。

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