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肺がん疑い、7カ月伝えず 長寿健診の70代男性に病院謝罪 京都


 京都府京丹後市は13日、市立弥栄病院が実施している健康長寿健診でCT検査を受けた市内の70代男性について「肺がんの疑い」との画像診断結果が出たのに、そのことを7カ月間伝えていなかったと発表した。長寿健診では他にも「がんの疑いがある」と診断しながら4カ月~半年程度、家族らに報告していなかったケースがあったという。【塩田敏夫】

報告書に記載 口頭報告なく見逃す

 記者会見した弥栄病院の神谷匡昭院長らによると、男性は2022年10月にCT検査を受けた。2日後に放射線医がCT画像から「肺がんの疑いがある」と診断し、画像診断報告書にその旨を記入したが、長寿健診の担当医には口頭で何も伝えなかった。長寿健診の担当医は「がんなど重大な疾患の可能性がある場合、すぐに連絡してくるはず」と思い込んでいたという。このため、画像診断報告書をすぐに見ることはせず、本人や家族には「肺がんの疑い」を伝えていなかった。

 弥栄病院は23年4月末、男性に「肺がんの疑い」を伝えていないことを認識したが、男性が別の病院に入院していたため伝えることができなかったという。その後、5月初めに男性が呼吸困難で弥栄病院に救急搬送され、その際に家族に22年10月のCT検査結果を初めて伝え、謝罪した。

 救急搬送時の精密検査で、男性は肺がんと診断された。弥栄病院には肺がんの専門医がいないため、男性は市外の病院で治療を受けており、現在は自宅療養中という。

 神谷院長は「肺がんの疑いと診断した時点でただちに長寿健診の担当医に知らせ、病院内で情報共有すべきだった。深く反省している。今後は意思疎通を図り、再発防止を徹底したい」と述べた。

 市によると、家族は「診断の報告が遅れたことを男性本人には伝えていません。もう少し早く伝えてほしかった」と話しているという。市は補償について「誠心誠意対応していきたい」としている。

「長寿健診」なのに 告知遅れ他にも

 長寿健診は同市に100歳以上の長寿者が多いため、その原因を研究しようと17年度からスタート。通常の健診と違い、研究への同意をして健診を受ける。また、時間がかかる腸内細菌検査など検査項目が約2000にも上り、半年以内に検査結果を整理、確認し、結果を伝えるよう作業しているという。

 今回の事態を受け、長寿健診の計1242件のCT画像診断報告書を再確認。今回の件以外に計10件について「がんの疑いがある」との画像診断結果があったという。会見では当初、「10件はいずれも結果としてがんではなかったが、速やかに家族らに報告した」と説明した。その後、報道陣の確認に、今回の件と同様に「がんの疑いがある」と診断しながら半年~4カ月程度報告しなかったケースがあったと訂正した。

 神谷院長は「以前も今回のケースのように報告の遅れがあり、その教訓を生かせずこうした事態を起こしてしまった。大変申し訳ない」と謝罪した。

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