米国が殺傷力の高いクラスター弾をウクライナに供与することを巡り、ロシアのショイグ国防相は11日、露軍が対抗措置として、ウクライナに「（クラスター弾と）同様の武器を使わざるを得なくなるだろう」と述べた。両国間でクラスター弾による攻撃の応酬が展開される可能性がある。ロイター通信などが報じた。
クラスター弾は、親爆弾が空中で分解して数十～数百の子爆弾をまき散らし、無差別に広範囲の敵を攻撃する。不発弾が紛争後も民間人に被害を及ぼすため、日本を含む100カ国以上が加盟するオスロ条約で、使用や製造が禁止されている。米、露やウクライナは条約に加盟していない。
バイデン米政権は7日、ウクライナ軍の砲弾が不足していることを理由に、通常の砲弾が供給されるまでの「つなぎ」としてクラスター弾を供与すると発表。子爆弾の不発弾率が2・35％未満のクラスター弾が提供されるという。
ショイグ氏は露軍が「米軍よりはるかに優れた」クラスター弾を持っているものの、これまで使用を控えてきたと主張し、米軍が供与するクラスター弾への対策を講じる必要性を強調した。
ただ、米国はロシアが昨年2月の侵攻開始以降、不発弾率が最大40％に達するクラスター弾を使用していると主張。国際人権団体は、ウクライナ軍も既にクラスター弾を使用していると指摘している。【エルサレム三木幸治】
大谷翔平・野球ニュース