ロシアのメドベージェフ前大統領は4日に公開された動画で、今年に入り約18万5000人の契約兵が入隊したことを明かした。ウクライナで「特別軍事作戦」を続けるロシア軍は、数年をかけて兵力拡充に取り組んでおり、順調に進んでいるとアピールする狙いのようだ。
メドベージェフ氏は外交防衛政策を決める「安全保障会議」の副議長を務める。今回は会議で発言する動画が通信アプリ「テレグラム」に投稿された。
ロシア軍は兵役経験者を有給で雇う「契約兵」を戦力の中心に据えている。メドベージェフ氏は国防省の説明として、今年1月1日から今月4日までに18万5000人以上の契約兵が入隊したと述べた。うち10万5000人は予備役に入れられたという。
ロシアでは6月下旬に民間軍事会社「ワグネル」の反乱があったばかりだが、メドベージェフ氏は、その後にも約1万人が入隊したと指摘。「反乱の試みは特別軍事作戦で軍と契約しようとする市民の態度を変えられなかったことを強調しておきたい」と語った。
特別軍事作戦で苦戦しているロシアは2022年9月、「部分的動員令」を発動し、約30万人を招集。今年1月には、26年までに兵力の総数を150万人に増強すると発表している。【モスクワ大前仁】
