ゼレンスキー大統領「ワグネル反乱はウクライナ軍に有利」

　ウクライナのゼレンスキー大統領は1日、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者のプリゴジン氏が起こした反乱について「戦場におけるロシアの能力に影響を及ぼした」と語り、ウクライナ軍が反攻を進めるうえで有利に働くとの認識を示した。スペインの主要メディアとの記者会見で語った内容を米CNNテレビが伝えた。ゼレンスキー氏は「敵を排除するためにこの状況を生かす必要がある」と強調し、引き続き各国に支援を呼びかけた。

　報道によると、ゼレンスキー氏は会見で、ウクライナ軍がこれまでに東部だけでワグネルの戦闘員2万1000人を殺害し、8万人を負傷させたと主張。反乱の背景については「（ワグネルは）戦争に負けつつあった。ウクライナの戦場でこれ以上、勝利を得られなくなり、責任転嫁の相手を探し始めた」と指摘した。

　一方、ウクライナ軍の反攻については「戦場には地雷が埋められている。だから慎重に進めている」と語り、無理には急がない方針を示した。【カイロ金子淳】