半導体産業、ラピダス誘致の北海道が指針策定へ 知事が明らかに

　次世代半導体の量産を目指すラピダス（東京都）の工場誘致を受け、道は「（仮称）北海道半導体産業振興ビジョン」を年度内に策定することを決めた。6月27日と28日の道議会代表質問で、鈴木直道知事が明らかにした。道内の半導体関連産業の将来像を示すことで、関係者が共通認識を持てるようにする。

　半導体工場誘致を巡っては、ラピダスが石狩から苫小牧にかけて関連企業を集積させる「北海道バレー構想」を掲げたほか、道が製造・研究・人材育成が一体となった複合拠点の実現を目指す考えを示しているが、具体的な将来像は固まっていない。道次世代半導体戦略室によると、ビジョンに関連企業の集積や道内企業の参入促進、複合拠点のあり方などを盛り込む方針で、「青写真」だけでなく、実現に向けたロードマップも示したいという。

　鈴木知事は道議会の答弁で、道内の半導体関連産業の実態や国内外の先進事例を踏まえて指針を策定する考えを示し、「このビジョンのもと、オール北海道で目指すべき方向性を共有し、道央圏のみならず道全体の経済活性化と持続的発展につなげる」と述べた。【石川勝義】