大量発生の“厄介者”が大人気 オオズワイガニ、即売会で完売

　今年、北海道・日高沖で大量発生したオオズワイガニが道南西部の噴火湾でも連日、毛ガニのカニかごにかかっている。漁業者の収入につなげようと室蘭漁協が1日に室蘭市舟見町で即売会を開いたところ、1時間あまりで約5000匹を完売する人気だった。

　「オオズワイ」とはいうが、甲羅の大きさは7センチほどと小ぶり。漁協によると6月20日から始まった毛ガニ漁では、毛ガニのほぼ2倍の水揚げだが、取引価格は10分の1ほどと安いため、漁の厄介者とされている。

　このため、漁協は30日と1日の水揚げ分を通常より高い1キロ350円で買い取り、1匹200円（税込み）で販売。会場には早くから多くの人が訪れ、売り場前にクーラーボックスや発泡スチロールの箱を持参した人たちの長い行列ができた。

　友人と3人で100匹買った室蘭工大生の男性（19）は「今夜は仲間とカニパーティー。食べ方はこれから考えます」と大きなビニール袋をいくつも抱えていた。また、登別市から訪れた男性（82）は「札幌の息子に頼まれ、朝7時から並んだ。安いので30匹買った。これから車で持っていきます」とうれしそうだった。【平山公崇】