静岡県裾野市民文化センターでのスプリンクラー作動事故に関して、村田悠（はるかぜ）市長は28日、臨時記者会見を開き、楽器が水損した「シンフォニエッタ静岡」（焼津市）に和解金支払いを申し入れると発表した。事故を巡っては市設置の事故調査委員会が27日に「原因は特定できない」という最終報告を発表している。村田市長は「最終報告で市に瑕疵（かし）があると断定された訳ではないが、その可能性は排除できない。施設責任者として楽団員の被害を心苦しく思う」と述べた。
村田市長は従来「市側の瑕疵（かし）が判明しなければ補償しない」と述べていた。一方、市民からは「市の施設での事故である以上、一定の補償をすべきだ」との声が上がっていた。具体的な和解金額の算定について、村田市長は「公金の支出であり、市民の理解を得る必要がある。民事調停の申し立てによる裁判所の仲介を検討している」とした。
事故は2022年9月24日、文化センター大ホールで起きた。4系統ある大ホールのスプリンクラーのうち、2系統が突然作動。大ホールのグランドピアノとともに、開演1時間前で舞台上に並べてあったシンフォニエッタ静岡の楽器も水損の被害に遭った。【石川宏】
