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涙流す「奇跡のマリア像」 秋田のカトリック聖地、海外から連日巡礼


 新型コロナウイルス禍を経て日本各地でインバウンド(訪日外国人)が復活する中、秋田市添川のカトリック修道院「聖体奉仕会」にも巡礼者が戻り始めた。信者らは、涙を流した「奇跡のマリア像」があることで知られる秋田の聖地で、静かに祈りを捧げている。

 秋田市郊外の丘の上にある聖体奉仕会。宮大工の手により7年かけて2002年に建てられた聖堂は入母屋重層造りの純日本風建築で、一見すると神社や寺のようだ。6月下旬に訪れると、ポーランドからの巡礼団44人がミサを執り行っていた。

 巡礼団のイェジュ・ザイオンツ神父(64)によると、カトリック信者が国民の多くを占めるポーランドでは、カトリック系のラジオ番組や雑誌で「奇跡のマリア像」が何度も紹介されており、「多くの信者が秋田のことを知っている」という。

 農業を営むアンジェイ・ゴズデクさん(60)とアグネシカさん(49)夫妻は初来日。「通っている教会で秋田のマリア像のことは聞いていた。理性では説明できない奇跡の場所を実際に訪れ、感情が揺さぶられている」と話した。

 聖体奉仕会によると、コロナ禍以前はポーランドの他、インドネシアやフィリピン、米国などから年間1万人前後が巡礼に訪れていたが、コロナ流行後は巡礼者の受け入れを停止してきた。今年4月29日に受け入れを再開すると、5月がマリアをたたえる「聖母月」とされていることも相まって、連日、個人や団体巡礼団が訪れ、5月だけで2000人を数えたという。

 同会は「コロナ禍で死や生について考える機会が多かったのかもしれない。そのため巡礼する方が増えたのではないか。今までにない、新しい方々が訪れてくれていることもうれしい」としている。【高橋宗男】

奇跡のマリア像

 聖体奉仕会の聖堂にある「秋田の聖母像」。台座を含めて高さ1・2メートルの木彫り像で、地元の彫刻家がカツラの木で制作した。1975年1月4日朝、像から「涙」が流れているのが見つかり、この「落涙」現象は81年9月15日まで計101回記録された。

 「涙を流すマリア像」として紹介され、日本国内よりむしろ海外で知られる。聖体奉仕会は2013年10月にバチカンと世界10カ所の聖母巡礼所を衛星中継で結ぶローマ教区行事「聖母マリアとともに過ごす祈りの夜」の開催地として、アジアから唯一選ばれた。

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