ウクライナ南部ヘルソン州の親露派トップを務めるサリド氏は22日、ロシアが一方的に併合したクリミア半島とヘルソン州を結ぶ橋が、ウクライナ軍による攻撃で損傷したと明らかにした。SNS（ネット交流サービス）に現地の様子を投稿した。反転攻勢を続けるウクライナ軍が、露軍の軍事物資の補給路を断とうとしたとみられる。
ロイター通信などによると、損傷したのは、チョンガル橋で、クリミア半島とヘルソン州を結ぶ二つの陸路のうちの一つだ。露側の映像によると、道路の中央に大きな穴が空いている。露メディアは、初期調査の結果として、ウクライナ側から発射された4発のミサイルのうち1発が着弾し、その残骸からはフランスで製造されたことを示すものが見つかったと報じている。露軍は現在、兵士の移動や物資の運搬に迂回（うかい）を余儀なくされており、橋の復旧には数週間かかるという。
ウクライナ軍は6月上旬、露軍に占領された領土を奪還するため、反転攻勢を始めた。ただし、露軍も防衛を強化しており、これまでに奪還したのは東部、南部の8集落にとどまっている。一方で、欧州諸国が提供した巡航ミサイルなどにより、露軍の補給路を狙う新たな攻撃が可能になっている。【エルサレム三木幸治】
