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「超新星」 巨大恒星その最期の輝き


 地球から約2270万光年の距離にある、おおぐま座のうずまき銀河「M101」で5月20日に、山形市のアマチュア天文家、板垣公一さん(75)が、超新星「SN2023ixf」を発見しました。板垣さんは新天体の捜索家として知られ、今回で172個目の超新星発見となりました。「星空と宇宙」、今回は超新星について紹介します。

 光度14.9等の明るさで発見されたM101の超新星は、11等ほどまで輝きが増しました。国立天文台によると、この明るさの超新星は、2014年にM82で見つかった「SN2014J」以来です。6月に入り減光に転じましたが、6月17日に望遠鏡で撮影すると、写真にはっきりと写りました。発見から1カ月となる現在も、口径の大きな望遠鏡なら見ることが可能な、12等ほどの明るさで輝いています。今後、数カ月かけて徐々に暗くなり、見えなくなっていきます。

 超新星は、太陽の8倍以上の質量を持つ巨大な恒星が、進化の最期を迎えた時に大爆発する現象です。星が急に明るくなる現象に「新星」がありますが、はるかに明るく、太陽の数億倍に輝くため、超新星と呼ばれています。超新星爆発の後、元の星の場所には中性子星やブラックホールといった高密度の天体が形成されると考えられています。

 宇宙には無数の銀河があるため、近年は毎年1000個を超える超新星が発見されています。しかし、とても遠い銀河がほとんどで、一般的には観察できないものばかりです。まれに近くの銀河で起こった時は、その輝きが、天文ファンの胸を躍らせます。1987年に、南半球で見られる銀河「大マゼラン雲」(距離約16万光年)で、超新星「SN1987A」が見つかりました。光度約3等と肉眼でも見え、望遠鏡が発明されて以来、最も明るい超新星とされています。

 過去の文献にも、太陽系を含む天の川銀河の中で、超新星が現れた記録があります。1054年、おうし座に出現した超新星「SN1054」は、鎌倉時代に藤原定家が書いた日記「明月記」に記述があり、金星より明るく輝いたようです。現在、その場所には残骸の「かに星雲」(M1)が見られます。ひとつの銀河の中で、数十年から100年に1度生じるという超新星。次に肉眼で見られるのはいつになるでしょうか。【手塚耕一郎】

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