横浜市戸塚区の路上で柴田哲二郎さんが棒のようなもので殴られ死亡した事件は、発生から約4カ月で現場近くに住む服部繁雄容疑者が逮捕された。現場周辺では「やっと（容疑者が）捕まった」などと安堵（あんど）の声が聞かれた一方、柴田さんと服部容疑者の面識は確認されていないといい、事件の経緯や背景の解明が今後の焦点となりそうだ。
「まだ捕まらないのかと職場でも話題になっていた。捕まってよかった」。事件現場と職場が近いという同区の男性（35）は安心した様子で話した。別の男性（54）も「なかなか捕まらないと思っていた。ニュースで逮捕を知って、家族と『安心した』と話していた」と胸をなで下ろした。
県警は防犯カメラの映像を分析し、不審な人物が柴田さんを背後から襲った可能性が高いとみて、柴田さんの周囲でトラブルがないかを調べてきた。また、防犯カメラの映像から襲撃した人物が「身長約165センチで紺色っぽいフード付きロングコートを着用していた」として、目撃情報も求めてきた。
服部容疑者の自宅は現場から約500メートル離れた住宅や畑が混在する地区にある。容疑者と同じマンションに住む女性は「（容疑者の）トラブルは聞いたことなく、普通の男性という感じだった」と話した。
捜査関係者らによると、柴田さんの自宅近くでは、事件前に不審な人物が「バットを振っていた」とか「電柱に隠れていた」といった目撃情報もあり、県警は事件の全容解明を目指す。【牧野大輔、宮本麻由】
