ウクライナ南部ヘルソン州にあるカホフカ水力発電所のダムが決壊した問題で、同州のプロクジン知事は8日、通信アプリ「テレグラム」で同州の約600平方キロが水没していると明らかにした。東京23区の面積に匹敵する規模となる。ロイター通信によると、ダム決壊を受け、これまでに数千人の住民が避難したとみられるという。残された住民は屋根の上などで救助を待っており、ウクライナ、ロシア双方による救出活動が続いている。
プロクジン氏によると、水没したのは68％がドニエプル川東岸の露軍占領地域で、ウクライナ側が奪還した地域は32％。被害地域の平均水位は8日朝の段階で5・61メートルだったという。英国防省は8日付けの分析で、今後は水位が下がる可能性が高いとしている。
一方、赤十字国際委員会（ICRC）は8日、ダムの決壊により、双方が埋めた多くの対人地雷や対戦車地雷が水に流され、ドニエプル川下流の畑や道路などに拡散した可能性があると指摘した。今後、数十年にわたって被害が出ることも想定されるという。
また、ウクライナ政府は8日、露軍がヘルソン州から避難している住民を砲撃し、9人が負傷したと明らかにした。一方、ロシア側もウクライナ軍がロシアの救助隊を砲撃したと非難している。【エルサレム三木幸治】
大谷翔平・野球ニュース