4件の事件処理放置、訴訟装い虚偽報告 弁護士を懲戒処分 宮崎

　宮崎県弁護士会は29日、民事4件の事件処理を放置し、訴訟を起こしているように装って虚偽の報告をしたなどとして同会所属の井上大造弁護士を業務停止8カ月の懲戒処分にしたと発表した。処分は26日付。

　同会によると、井上弁護士は札幌弁護士会に所属していた2018年6月以降に勤務先の事務所で担当した4件について1年から1年10カ月にわたり訴訟を提起せず放置。うち1件では他の弁護士の印影を無断で使用するなどして訴状や準備書面を偽造し、依頼者に対し訴訟になっているように装っていた。

　井上弁護士は20年7月に札幌弁護士会を退会し、21年7月に県弁護士会に登録。同年8～9月に同会に懲戒請求があり発覚した。

　同会によると、井上弁護士は処分に対する不服申し立てについて「検討中」としているという。【下薗和仁】