南高梅の収穫始まる 梅酒やジャム、梅干しに 和歌山・田辺

　全国屈指の梅産地・和歌山県田辺市で、主力品種の南高梅の収穫が始まった。現在は梅酒やジュース用に青果として出荷される実が中心。6月下旬までに関東や関西などに2800トンの出荷を見込んでいる。

　50アールで栽培する田辺市稲成町の農業、山本和久さん（58）の畑では29日、家族ら3人が赤く色付いた直径4センチ前後の実を摘んだ。着果数、実太りとも平年並みで6月25日ごろまで作業する予定。山本さんは「紀州南高梅は肉厚で種が小さく、加工に適している。各家庭で梅酒やジュース、ジャム、梅干しと好みの用途で使ってもらい、自家製の味を楽しんでほしい」と話した。

　JA紀南（本所・田辺市）管内では、1871戸が約1910ヘクタールで南高梅を栽培。平年並みの2万1878トンの生産を見込む。6月10日ごろから梅干し用の実の収穫も始まり、7月上旬まで作業が続く。【竹内之浩】