2025年大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会などは26日、会場の人工島・夢洲(ゆめしま)への来場ルートとして、テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」などとの間に船舶による12航路の整備を目指すと発表した。万博では、水都・大阪の魅力を世界にアピールする手段として船舶に期待が寄せられている。
この日、協会などが公表した12航路の発着点は、USJ近くの船着き場「ユニバーサルシティポート」▽水族館「海遊館」がある天保山▽神戸空港▽神戸港▽淡路島▽大川・安治川――など。夢洲発着の遊覧コースも含まれる。
協会や大阪府・市、交通事業者などでつくる協議会は22年10月、来場者の輸送方針を策定。1日当たりの最大来場者数を22・9万人と想定し、大阪メトロ中央線▽JR桜島線▽阪神高速淀川左岸線――の三つを主要ルートに設定していた。
今回、新たに海上ルートを盛り込んだ形だが、記者会見した協会などによると、定期航路化は採算面から難しいとみられ、宿泊ツアーに組み込むことなどを想定しているという。24年度にも民間の船舶事業者と連携して試験運航を始めたい考え。
協議会議長を務める内田敬・大阪公立大大学院教授は、会見で「輸送力としては大きくないが、水上アクセスを通して関西一円の魅力を感じてもらいたい」と述べた。【野田樹】