福岡県筑後市の県警筑後署の駐車場に25日、男性運転の乗用車が進入し警察車両に衝突後、炎上した事件で、この男性の自宅アパートで前日の24日に室内の一部が焼ける火災が起きていたことが、捜査関係者への取材で判明した。県警は男性が自宅で起きた火災への対応などを巡り、何らかの不満を抱いて筑後署で意図的に事故を起こし放火した疑いがあるとみて、男性の回復を待って事情を聴く方針。
捜査関係者によると、男性は筑後市熊野に住む25歳の会社員。24日の火災は午後2時50分ごろ、アパート1階の男性の部屋から出火。壁の一部や家財道具が焼け、駆けつけた消防隊が約30分後に鎮火した。けが人はいなかった。消防と同署が男性から事情を聴き、出火原因などを調べていた。
一方、筑後署での事件は翌25日午後3時15分ごろに発生。署の公用車に追随するように男性運転の乗用車が正面入り口から駐車場内に進入し、警察車両2台を巻き込む事故を起こした。その後、男性は運転席で何かを手に持って火をつけたとみられる。警察官に「降りなさい」などと促され、男性は自ら車を降りて地面に座り込んだ後、救急搬送された。全身にやけどを負った状態といい、詳しい容体は不明。
県警は事件と火災の関連を慎重に調べている。【佐藤緑平、清水晃平】
