元衆院議員の男性になりすまし、世界平和統一家庭連合（旧統一教会）と男性の関係を記したビラを配ったとして、福岡県警は26日、堀本和歌子・元福岡市議（41）を有印私文書偽造・同行使容疑で書類送検した。捜査関係者への取材で判明した。
書類送検容疑は、市議だった2022年7月ごろ、元衆院議員の男性の氏名などを記したビラを自宅で約1000部作製。8月8日午前1～5時、福岡市博多区内のマンションなど4カ所で郵便受けに投函（とうかん）したとしている。配布を手伝ったとして、堀本元市議の知人男性も偽造有印私文書行使容疑で書類送検された。県警は2人の認否を明らかにしていない。
当時、元衆院議員の男性は23年4月の市議選博多区での立候補を検討しており、堀本元市議の対立候補となる見込みだった。ビラは元衆院議員の男性が一人称で語る形で、19年に韓国で開かれた式典に出席したとし、旧統一教会の韓鶴子（ハン・ハクチャ）総裁に「祝辞を述べさせていただきました」などと記されていた。
堀本元市議は19年の市議選で、日本維新の会公認で初当選。22年10月にビラ配布が明らかになって維新を離党し、議員辞職した。その際の記者会見で「市民に真実を知ってほしいと思った。間違った正義感だった」などと謝罪した。
堀本元市議はその後、23年4月の市議選博多区で返り咲きを狙ったが、落選。元衆院議員の男性は当選した。【清水晃平】
