長野の立てこもりで緊迫 近隣住民、外出を警察官に制止され不安も

　長野県中野市で男が猟銃を持って立てこもったとみられる事件。現場近くに住む男性（37）によると、25日午後5時前ごろに防災行政無線で「外に出ないでください」と近隣に放送があったという。その後数十分間、警察車両が自宅前をひっきりなしに通過する様子を見て、恐怖を感じた。「近所の人はしばらく誰も外に出られなかった。家の近くでこんな事件が起きて怖い」と話した。

　無職の男性（72）は「猟銃を発砲する事件があった。出歩かないように」と注意を呼びかける防災無線を聞いた。その直後にパトカー2台がサイレンを鳴らし、走り去ったという。「普段は平穏な場所なのに」と驚いた様子だった。

　現場近くに住む主婦（86）はテレビのニュースで事件を知り、様子を見るために自宅から出ようとしたところ、警察官から「家の中に入っていてください」と制止された。周辺が規制されているため、仕事に出ていた家族も自宅に戻れず、親族の家に身を寄せているという。「心配した孫からも電話があったが、外に出られないので、何も分からない」と不安そうだった。【李英浩、堀智行】