兵庫県小野市の蓬萊（ほうらい）務市長が24日、記者会見し、県庁舎の移転について「小野市への移転を提案する」と述べた。具体的な候補地として市中央部の丘陵地帯に広がる市有地を挙げ、「小野市は県全体のほぼ中央で道路のアクセスも良く、災害も少ない」と意義を強調した。6月22日、公明党県議団が北播磨地域の首長を対象に開催する「政策要望会」に文書で要望する。
候補地は同市浄谷（きよたに）町と黒川町にまたがる約95ヘクタール。市が2008年、KDDIから購入し、「小野希望の丘陸上競技場」を建設した。市長によると、約85ヘクタールは利用計画が決まっておらず「無償で提供してもいい」としている。
また、小野市が県庁所在地に適する理由として、山陽自動車道と中国自動車道に挟まれた交通の要所で、風水害が少ないうえ、陸上自衛隊駐屯地や隣接の三木市に県防災拠点があり、災害時に県の業務を継続しやすいことなどを挙げた。
斎藤元彦知事が県職員のリモートワークを推進する方針であることも踏まえ「県庁が神戸市にある必要はない。県の危機的な財政を考えれば、地価の安い場所を選ぶのは合理的。政策議論をすべきだ」と述べた。【村元展也】
