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広島から何を発信?G7サミット 海外メディアの視点は…


 主要7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせて、多くの海外メディアが開催地の広島市を訪れ、取材をしている。外国のジャーナリストたちは広島で何を感じ、何を伝えるのか――。

 「ブラジル国内では環境問題や気候変動、経済に関する話題に関心が高い。ロシアのウクライナ侵攻がいつ終わるのか見えない今、平和を巡るG7サミットの話し合いも伝えていきたい」。ブラジルの公共放送EBCが運営する「テレビ・ブラジル」の記者ルアナ・カレンさん(41)は話す。

 首都ブラジリアから2日間かけて15日に広島に到着した。自国では南東部にある経済の中心都市サンパウロに日系人が多く住み、日本の町並みを再現した風景を見ることもできるという。今回、初めて日本を訪れ、「まちが美しくて人が親切」との印象を持った。広島市中心部にある庭園・縮景園(しゅっけいえん)や広島城を訪れたり、商店街で買い物をしたりして広島を体験している。

 17日に原爆資料館を訪れた時は、被爆した子供の遺品に特に心を揺さぶられた。「1歳になる私の娘にもし同じことが起きたらどんなに苦しいかと想像し、悲しい気持ちになった。この地で歴史がきちんと記録され、次世代に継承されていることも学んだ」と言う。

 サミットでは、グローバルサウスと呼ばれる新興国や途上国と、G7との連携のあり方もテーマの一つとなっている。経済発展を続けるブラジルもグローバルサウスの有力国だ。

 ルアナさんは2022年の大統領選で極右の現職を破って復帰したルラ新政権が国際関係に積極的に関与しようという機運を感じているという。「世界の課題解決に向けてより多くの国が関わる必要性が出てきている。ブラジルは今まさに、世界の深刻な問題に立ち向かうためのリーダーになる道を探っているのです」と力を込めた。

 イタリア国営放送(RAI)の東アジア主任特派員マルコ・クリメンティさん(53)は北京を拠点に日本を含むアジアや、オセアニアの情勢を取材している。今回も、北朝鮮問題を巡る日韓の対応や日米首脳会談、メローニ伊首相の動向などカバー範囲は広い。個人的に興味があるのが影響力を強める中国とG7の関係だという。

 ウクライナのゼレンスキー大統領がサミットに対面で急きょ出席することに関しては、「広島の地で、G7首脳だけでなく、ここに集まったブラジルやインドの首脳と会談する機会があれば、興味深い。深い議論が期待でき、楽しみだ」とコメントした。

 クリメンティさんはこれまで、フランシスコ・ローマ教皇の訪問(19年)などで広島に3度取材で訪れた。8月6日の原爆の日に合わせて被爆者にインタビューして報道した経験もあり、戦争や核のない世界の実現に対する被爆者の強い思いを知ったという。

 イタリアは核を持っておらず、自身も核保有には反対の立場だが、「世界の核廃絶という理想を実現するのは難しいとも感じる」と明かす。「重要な時期に主要国の首脳が広島に集っている。しっかりと議論を見届ける」と語った。

【高木香奈】

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