秋田市内の空き地で性別不明の遺体が見つかった死体遺棄事件で、遺体は服を着たまま膝を折り曲げた状態で箱に詰められていたことが、捜査関係者への取材で判明した。警視庁捜査1課は、遺体が2021年6月末から行方不明となっている愛知県一宮市の女性（行方不明時48歳）の可能性があるとみて身元の確認を急いでいる。
捜査関係者によると、遺体は木箱のようなものに服を着た状態で入れられ、コンクリート詰めにされていたという。遺体の一部は皮下脂肪がろうのように変化しており、長期間空気に触れない状態だったとみられる。また、近くで携帯電話も発見されたという。
また、空き地を実質的に所有している男性（48）らが21年9月に秋田市内の不動産会社を訪れ、「今すぐこの土地を買いたい。1週間で契約したい」などと購入を急いでいたことも捜査関係者などへの取材で新たに判明した。
男性らはその翌日、まだ売買契約が成立していないのに草刈り機などで草木の伐採を開始。その数日後、空き地内に地面を掘り起こしたような場所や、深い穴が掘られているのを近隣住民らが目撃していた。空き地の売買契約は21年12月に完了し、男性の妻（34）名義となった。
一方、行方不明となっている女性は埼玉県内でこの男性に会って以降、足取りが分からなくなっている。男性は現在、覚醒剤取締法違反で服役中で、警視庁は男性の関係者からの証言に基づき、今月8日から空き地内を捜索していた。
捜査1課は男性らが遺棄に関与した可能性もあるとみて調べている。【木原真希、岩崎歩、菅健吾】
