母親になりすまし投票か 市議会議長を書類送検 北海道・士別

　4月9日投開票の北海道知事選と道議選で母親になりすまして投票したとして、道警捜査2課などが北海道士別市議会議長の井上久嗣容疑者（63）を公職選挙法違反（詐偽投票）の疑いで書類送検したことが9日、捜査関係者などへの取材で判明した。送検は8日付で、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。

　書類送検容疑は知事選と道議選で、戦傷病者や身体障害者などが利用できる郵便投票制度を悪用し、母親になりすまして不在者投票を行った疑い。母親は意思表示が困難だったとみられ、井上容疑者は容疑を認めているという。

　士別市議会事務局によると、井上容疑者は8日、副議長あてに議員辞職願を提出したが、正式には受理されていないという。井上容疑者は毎日新聞の取材に対して「議長という立場で、あってはならないことだ。大変反省しており、自ら辞職願を出した」とコメントした。

　井上容疑者は、2006年に市議選で初当選し、現在で5期目。昨年から議長を務めている。【金将来】