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流行懸念のオミクロン株派生型、4種の抗ウイルス薬有効 東大チーム


 新型コロナウイルス感染症で、オミクロン株の派生型「XBB・1・5」は今年に入り、欧米で主流となった。感染力が強く日本では3月ごろから増え始め、次の流行時には主流になることが懸念されている。その中で、既に承認されている4種の抗ウイルス薬は、XBB・1・5にも有効との結果を、東京大医科学研究所の河岡義裕(よしひろ)特任教授らのチームが公表した。

 国内でも感染者のXBB・1・5の割合は高まっており、4月初めには新規感染者の約2割から検出された。米国では、4月に検出されたウイルス株の9割近くを占めた。

 抗ウイルス薬は人の細胞に侵入したウイルスの増殖を抑えることで、感染者を治療する。だが抗ウイルス薬の「レムデシビル(商品名ベクルリー)」「モルヌピラビル(同ラゲブリオ)」「ニルマトレルビル(同パキロビッドに含まれる成分の一つ)」「エンシトレルビルフマル酸(同ゾコーバ)」は、XBB・1・5への効果が分かっていなかった。

 そこで研究チームは、培養したサルの細胞を使い、有効性を調べた。患者から分離したXBB・1・5と治療薬を混ぜて、サルの細胞に加えるなどして、中国で見つかった最初の株との効果を比べた。その結果、4種の抗ウイルス薬とも同程度の効果がみられた。

 一方、オミクロン株対応のワクチンが、XBB・1・5の感染や重症化を予防する上で効果があるのかも調べた。接種を受けた人の血液から採取した抗体を使い、XBB・1・5の感染を防ぐ効果を分析したところ、オミクロン株対応のワクチンを接種済みの人と、ワクチン接種後にオミクロン株に感染した人には、一定程度の効果が確認された。

 河岡特任教授は「4種の抗ウイルス薬は、XBB・1・5の感染者にも効果があると考えられる。XBB・1・5の感染や重症化を予防する上で、オミクロン株対応ワクチンの接種は有効だ」と話した。

 成果は、英医学誌ランセット姉妹誌に掲載された。https://doi.org/10.1016/S1473-3099(23)00070-1【渡辺諒】

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