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「中絶禁止容認」起草の米最高裁判事 判決原案漏えいの情報源を示唆


 米連邦最高裁のサミュエル・アリート判事は、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙とのインタビューで、2022年5月に人工妊娠中絶の合憲性を巡る訴訟の判決原案が米メディアに判決前に報じられた問題について「個人的には誰がやったのか非常に筋の良い見立てがある。(漏えいの)動機が原案通りの判決になるのを防ぐためだったのは確かだ」と述べた。原案を起草した保守派のアリート判事が、中絶を容認するリベラル派が情報源だった可能性を示唆したことは、波紋を呼びそうだ。

 アリート氏は、28日に同紙のウェブサイトに掲載されたインタビューで「名指しできるほどの証拠はない」とした上で、報道機関に漏えいした関係者に心当たりがあると述べた。また「裁判所を脅迫する運動の一環として(漏えいされた内容が)利用された。最高裁に疑いと不信の雰囲気が生じた」と語った。

 米政治メディア「ポリティコ」は22年5月、最高裁が1973年に中絶を女性の権利として認めた「ロー対ウェイド」判決が覆され、州による中絶禁止を容認するとする保守派判事5人による多数意見の原案を報じた。22年6月に出された判決は、ほぼ原案通りだった。

 中絶容認派は報道を受けて、保守派の判事らに反発。保守派判事に危害を加えようとして判事の自宅近くで銃や刃物を所持していた男性が拘束されたり、判事の自宅前で抗議運動が起きたりした。

 最高裁の判決原案が外部に漏えいするのは極めて異例で、ロバーツ最高裁長官が内部調査を指示したが、情報源は特定されなかった。【ワシントン秋山信一】

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