暴力団員の入場が禁止されている阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)でプロ野球を観戦したとして、兵庫県警甲子園署は25日、いずれも暴力団組員の酒井冨士男(78)=大阪市阿倍野区天王寺町北3=と出口英樹(52)=同市浪速区戎本町1=の両容疑者を建造物侵入の疑いで逮捕したと発表した。いずれも容疑を一部否認し、出口容疑者は「ヤクザがプロ野球を見に行ったらいけないとは知らなかった」と供述しているという。
逮捕容疑は4月8日、入場門前などに「暴力団関係者お断り」と表示している同球場に入り、阪神対ヤクルトの試合を観戦したとしている。甲子園署によると、試合中に球場付近で違法駐車していた乗用車の運転手を職務質問したところ、暴力団関係者が観戦している疑いが浮上したという。試合終了後、両容疑者がこの車に戻ったことを確認し、9日に逮捕していた。
日本野球機構(NPB)は2003年12月、暴力団の入場拒否などを盛り込んだ「暴力団等排除宣言」を採択した。同球場も暴力団など反社会的団体の所属者や密接な関係者を「入場をお断りする方」として注意事項に明記している。