フィンランドで欧州最大級の原発が稼働開始 ドイツでは「脱原発」

　フィンランド南西部のオルキルオト原発で16日未明、欧州最大級とされる3号機（出力160万キロワット）が本格的な稼働を開始した。フィンランド公共放送YLEなどが伝えた。ドイツではその前日の15日に最後の原発が稼働を停止したばかりで、欧州では原発を巡る対応が分かれている。

　ウクライナ危機後、ロシアからフィンランドへの電力供給などが停止される中、フィンランドでは2日投開票の議会選でエネルギー政策が争点の一つになった。第1党となった中道右派・国民連合のオルポ党首は選挙期間中、「原子力をエネルギー政策の土台とすべきだ」と積極活用を訴えていた。

　ロイター通信などによると、3号機は国内の電力需要の約14％をカバーする見通し。欧州での新たな原子炉の稼働は16年ぶりとも報じられている。欧州ではドイツが脱原発を完了させた一方、英国やフランス、スウェーデンなどが原発の新設計画を進めている。【ロンドン篠田航一】