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「おかしい…」岸田首相を守った漁師 語った容疑者確保の一部始終


 何かを持っているのが見えて、とっさに飛びかかった――。和歌山市で岸田文雄首相に向けて爆発物が投げつけられた事件で、木村隆二容疑者(24)=威力業務妨害容疑で現行犯逮捕=を現場で取り押さえた地元の男性漁師(54)が報道各社の取材に応じた。男性漁師は「無我夢中だった」と当時を振り返った。

 男性漁師は15日、岸田首相が衆院補選の候補者の応援演説に訪れると聞き、雑賀崎(さいかざき)漁港の会場を訪れた。午前11時20分ごろに現地に到着した岸田首相は地元の海産物を試食した後、演台近くに移動していた。

 「もうすぐ始まる。写真を撮ろう」。男性漁師は約200人の聴衆の中で、岸田首相がいる前方へと進んだ。すると、左前にいた男性が何かを投げたのが見えた。その男性は手元でさらに何かの仕草をしていた。「おかしい」。とっさに飛びかかり、男性の右手にあったものを一心不乱に払いのけた。この男性が木村容疑者だった。

 小学校時代に柔道の経験があった。警察官らと地面に倒れ込み、木村容疑者を抑え込んだ。もみ合ったのは時間にして1分ぐらいだったろうか。背後から爆発音がして恐怖が走った。無抵抗で言葉も全く発しなかった木村容疑者。男性漁師は地面で肘をすりむき、ズボンも破けていた。

 「ありがとうございました」。夕方ごろ、岸田首相本人から電話で謝意が伝えられた。「けががなくて良かったですね」と言葉を交わした。家族らからは「よくあんなことができた」とたたえられたという。

 男性漁師が思い出していたのは約9カ月前、奈良市で演説中の安倍晋三元首相が銃撃されて死亡した事件だった。「あんな事件があったので『まさか』と思ったが、夢中だった。こんな田舎町で起こった事件で本当にショックだ」と語った。【加藤敦久】

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