トランプ前米大統領は12日、元顧問弁護士のコーエン氏が弁護士として守るべき信認義務に違反したなどとして、総額5億ドル（約666億円）の賠償を求める訴えを南部フロリダ州の連邦地裁に起こした。米メディアが報じた。コーエン氏は、トランプ氏が起訴された親族企業の業務記録改ざん疑惑を巡って、検察側の重要な証人となっていた。
報道によると、トランプ氏側は、コーエン氏が弁護士としての義務に違反し、メディアや書籍で虚偽の情報を拡散させたと主張している。コーエン氏は顧問弁護士時代の2016年、トランプ氏と「過去に不倫関係だった」と主張する元ポルノ女優への口止め料を一時的に肩代わりするなど、長年トランプ氏の腹心とされてきた。しかし、18年に捜査当局との司法取引に応じ、口止め料の支払いに「トランプ氏の指示があった」と証言。一連の証言は、トランプ氏が業務記録改ざんの罪で3月末に起訴される根拠の一つとなった。
一方、ABCニュースによると、ニューヨーク市警察は12日、トランプ氏の捜査を担当する東部ニューヨーク州マンハッタン地区検察のブラッグ検事宛ての封筒に白い粉末が入っているのを確認した。粉末は無害だったが、警察はブラッグ氏らの警備を強化している。【ワシントン秋山信一】
