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維新に立ちはだかった河村市長 名古屋市議選で減税日本が圧勝


 全国政党化を目指す日本維新の会の前に、河村たかし名古屋市長が立ちはだかった。維新は河村市長が率いる地域政党・減税日本との共闘関係を解消し、9日投開票された名古屋市議選(16選挙区、定数68)では9選挙区で直接対決した。しかし結果は減税が7勝1敗(1選挙区は両党の候補が落選)と圧勝。維新は改選前の1議席を維持するのがやっとだった。減税は改選前の9議席を14に伸ばし河村市長も上機嫌だった。

 千種区選挙区に立候補した維新現職の手塚将之氏(46)は、減税から維新にくら替えして選挙に挑んだ。選挙前から議会内で維新の一人会派として活動し、名古屋での浸透を目指していたが、当選は果たせなかった。手塚氏は敗戦の弁で「思っていた以上に名古屋では維新になじみがなかった」と力なく語った。

 維新が独自候補を擁立した全9選挙区のうち、議席を獲得できたのは45票差で新人候補が滑り込んだ名東区のみ。河村市長のお膝元・東区では減税候補との間で6781票の差がつき、緑区は減税が2議席を獲得し、維新候補の約5倍の票で突き放した。維新にくら替えした候補は手塚氏のほか3人いたが、いずれも落選した。

 市全体の得票数を見ても、減税と維新の地力の差は歴然だった。減税候補の総得票が10万6801票(全体の17・47%)だったのに対し、維新は2万8126票(同4・6%)にとどまった。維新は2022年参院選愛知選挙区で減税と共同公認で候補者を擁立し、名古屋市内で11万5825票を得たが、そのほとんどを減税に持っていかれた形だ。

 維新と減税は16年参院選以降、タッグを組んできた。19年市議選では候補者を減税に一本化し、14議席を獲得して市議会での躍進を後押し。河村市長は参院選後も連携継続に意欲を見せたが、維新側は党本部の「生え抜きを増やしたい」との方針で、維新公認候補の擁立を打診。減税が拒否し、共闘関係は崩れた。

 だが維新の候補者選びは難航した。昨年11月、統一地方選での愛知県全体の擁立目標を「40~50人」と示したが、わずか2カ月後に「約30人」に下方修正。結局、県内の公認候補は3月に出そろい、全16区での擁立を目指した名古屋市も9区にとどまった。維新の県幹部は「候補者の質という面でもふさわしい人を集めるのは難しかった。候補者をフォローする体制など準備不足もあった」と明かす。

 両党の支持層が重なる可能性も懸念されていた。選挙戦終盤の7日に候補者の応援に駆けつけた維新の馬場伸幸代表は「有権者もどちらの改革政党か迷うと思う。全国政党を目指す中、過渡期なので致し方ない」と明かした。

 一方、減税は「ナゴヤのことはナゴヤで決めよみゃあ」をスローガンに掲げ、連日街頭に立ち続けた河村市長は「減税は公認をやめて全部維新の公認にと。政策などは維新に従ってくれと。何考えとんだ。私ども大阪の属国ではねえでよ」と批判を繰り返した。

 河村市長は21年東京オリンピック代表選手の金メダルをかじったことで批判を浴び、求心力の低下も懸念されたが、1日に5、6カ所の選挙区を回る活動量で「河村票」をまとめあげ「選挙モンスター」としての存在感を知らしめた。他党からも「河村人気は健在」「侮れない」などの声があがった。

 選挙から一夜明けた10日、河村市長は記者会見で「民主主義の大勝利だ」と減税の躍進を笑顔で総括した。【田中理知、酒井志帆、加藤沙波】

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