両親殺害容疑で40代長男を逮捕へ 横須賀の高齢夫婦遺体

　神奈川県横須賀市田浦泉町の住宅で70代夫婦の遺体が見つかった事件で、行方が分からなくなっていた夫婦と同居する40代の長男が、和歌山県内の警察署に出頭したことが9日、捜査関係者への取材で判明した。県警は県内に移送したうえで、夫婦への殺人容疑で逮捕する方針。

　県警によると、自宅で死亡していたのは無職の小野星三男さん（75）と妻の泰子さん（72）。6日夜、夫婦の親族から「数日前から連絡が取れない」と110番があり、駆けつけた警察官が7日未明、1階の和室でそれぞれ布団がかけられた夫婦の遺体を見つけた。長男はその数日前から行方が分からなくなっており、県警が事情を知っているとみて行方を追っていた。

　捜査関係者によると、両親の遺体には刃物のようなもので上半身を刺された傷が残っていた。8日に長男から「出頭する」と連絡があったという。

　横須賀市生活支援課によると、過去に泰子さんが長男の就労支援に関して同課に数回相談していた。2020年ごろに泰子さんから「就労先が決まった」との連絡があり、それ以降相談はなかったという。【鈴木悟】