starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

「まだ闘うのか…」原告ら怒りと落胆 強制不妊兵庫訴訟で国が上告


 旧優生保護法(1948~96年)下で不妊・中絶手術を強制されたとして、兵庫県内の夫婦ら計5人が国に損害賠償を求めた訴訟で、国は5日、旧法を違憲と判断し計4950万円の支払いを命じた大阪高裁判決を不服として、最高裁に上告した。

 訴えたのは、脳性まひで手足が不自由な鈴木由美さん(67)▽ともに聴覚障害がある小林宝二(たかじ)さん(91)と妻喜美子さん▽聴覚障害者の80代の夫婦。このうち80代の夫は提訴後、喜美子さんは1審判決後にそれぞれ死亡し、請求権は配偶者が引き継いでいる。

 3月23日の判決は、請求を棄却した1審・神戸地裁判決(2021年8月)を変更し、不法行為から20年で賠償請求権が消滅する「除斥期間」の適用を制限。賠償請求権が消滅せずに提訴できる期間について、「国が旧法を違憲と認めるか、違憲性を認める最高裁判決が確定してから6カ月以内」とする初の判断を示し、救済の範囲を広げていた。

 こども家庭庁は「除斥期間の法律上の解釈適用に関して、本件事案にとどまらない法律上の重大な問題を含んでいることなどから、上訴せざるを得ないとの判断に至った」とのコメントを出した。同種訴訟で高裁4件目の賠償命令だったが、国はいずれも上告している。

 国の上告を受け、原告らは大阪市などで記者会見を開いた。鈴木さんは「あれだけ苦しい思いをしてきたのに、まだ闘うのかと思った。やっと人間らしく生きていこうと思っているのに、なぜ分かってくれないのか」と訴えた。弁護団長の藤原精吾弁護士は「大きな怒りと落胆を覚えている。国は人権侵害の重大性を認識すべきだ」と批判した。【山本康介、安元久美子】

    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.