韓国の最大野党 福島第1原発の処理水放出反対を大使館に伝達

　韓国の進歩系最大野党「共に民主党」の国会議員団が5日、ソウルの在韓国日本大使館を訪れて、東京電力福島第1原発（福島県）から出る処理水の海洋放出への反対を伝えた。同党の国会議員らは6～8日の日程で訪日し、福島県での視察を予定している。

　日本政府は海洋放出の時期について「今年春から夏ごろ」と見込む。大使館を訪れた同党の国会議員は「日本側が周辺国の国民の憂慮を踏まえ、進行状況を説明する義務があるのにまともに行われていない」などと抗議したと記者団に明らかにした。

　保守系の尹錫悦（ユンソンニョル）大統領は先月16～17日に日本を訪れた。大統領府は、尹氏が来日中に日本側の関係者と会った席で海洋放出について、客観的かつ科学的な方式▽国際基準に合致する検証▽その過程において、韓国の専門家が参加しなければならない――という3条件を明確にしたと説明している。

　共に民主党は、国会（定数300）で過半数の議席を握り、尹政権の対日姿勢を批判してきた。来年春に総選挙を控える中、尹政権を支える保守系の少数与党「国民の力」との対決姿勢を強めている。【ソウル坂口裕彦】