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「蜜月」どうなった?現職支援に徳島市長姿なく 保守分裂徳島知事選


 9日に投開票が迫った徳島県知事選。保守が分裂して、過去数回の知事選とは様相が異なる。中でも注目されたのが、2020年に初当選した際、全国最年少の女性市長として注目を集めた首長だ。

最大争点は新ホール整備事業

 政策で最大の争点となっているのが、徳島市内での新ホール整備事業とされる。この事業は元々、15年度に老朽化などで利用中止となった旧市立文化センターの後継施設として市が進めた。19年には国立競技場(東京)も設計した隈研吾氏の事務所を含む共同企業体が優先交渉権者に選ばれたが、建設予定の県有地を巡る帰属問題などから停滞した。

 20年の徳島市長選で市長が交代し、「県立ホール」として整備する方針に転換。要望を受け、今回の知事選で整備推進を掲げ、6選を目指して立候補した飯泉嘉門知事(62)も当時、「県市協調のシンボルが誕生することを期待したい」と応じた。

 市の計画段階では1500席程度だったホールを、県は1954席に拡大し、405席の小ホールも追加するなどした。約93億円を想定していた事業費は、県の整備基本計画(21年3月)で2・3倍超の約216億円に。元自民党参院議員の三木亨氏(55)、共産党県書記長の古田元則氏(75)、元自民党衆院議員の後藤田正純氏(53)の新人3人は新ホール整備の事業費大幅増を批判し、設計の検証や変更などを主張する。

解職請求署名の重み

 注目されるのが、20年の初当選後、新ホール整備事業で県と連携してきた内藤佐和子市長(39)の姿勢だ。徳島市では毎年12月末、旧徳島城跡にある公園の城門に、市長自らしめ飾りを設置する恒例行事があるが、県立の新ホール整備が決まった20年末は、内藤市長とともに飯泉氏も狭い高所作業車に乗り込んでしめ飾りを付ける場面もあり、両トップの蜜月ぶりを印象づけた。それだけに今回の知事選でも飯泉氏の支援に駆けつけるかと思われたが、内藤氏にその様子はない。

 内藤氏を支える市議が別の候補者を支援しているために動けないとの見方もある一方、22年1、2月に内藤氏の解職を求めて集まった署名6万6398筆の存在が関係しているとの指摘もある。徳島市の有権者(当時)の3割超にあたり、内藤氏が初当選時に得た得票数の約1・6倍に相当する。

 「徳島市内だけであの(署名の)数字。内藤市長が応援演説でもしようものなら、少なくない(飯泉氏の)支持者が離れていく恐れもある」と飯泉陣営の関係者は警戒感を隠さない。

 新ホール事業の基本方針は、内藤氏も副会長として参加した検討会議(会長・飯泉氏)で協議してまとめられた。知事の交代で設計の変更になれば、中心市街地の活性化を重視する内藤氏にとっても影響は小さくない。だが、内藤氏は3月27日にあった定例記者会見で、「候補者のコメントや発言などを注視していく」と述べるにとどめ、多くを語らなかった。【植松晃一】

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