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「大麻栽培で町を活性化」産学連携で研究へ 神事や製品活用目指す


 三重県明和町で4月から、幻覚作用があるテトラヒドロカンナビノール(THC)がほとんど含まれない大麻の栽培が始まる。平安時代に伊勢神宮に仕えた皇女「斎王」が暮らした国史跡「斎宮跡」にある遊休地を利用する。町は三重大(津市)と皇学館大(伊勢市)、大麻栽培許可を持つ法人などと連携する「伊勢麻振興プロジェクト」を立ち上げ、神事での活用や麻布などの製品活用を目指す。【下村恵美】

 大麻は4月中旬に種をまくと夏には収穫できる。プロジェクトでは精製して繊維とするほか、生産技術の継承や産業利用の可能性について実証研究を進め、麻産業の振興に取り組む。

 神社で大麻は、繊維を「お払い」の道具に使うなど、神事に欠くことができない。だが、大麻取締法の規定で栽培や所持する際には、都道府県知事の許可が必要で生産者は全国的に減少傾向にある。免許取得に関して県は「大麻取扱者指導要領」で、許可を受けた事業者は決められた場所で栽培し、使用は神事に限ると定めていた。

 一方、国は大麻取締法の改正を検討中で、改正に先立つ検討委員会で、大麻の栽培管理を緩和する方向性を示した。県はこの通知を受け要領の見直しを行い2022年7月以降、THCの含有量が低いことが確認できれば、栽培目的を伝統神事に限らず、産業利用にも拡大した。明和町はこのため、栽培を目指すことになった。

 プロジェクトによると、明和町は歴史的に神宮で使用する麻の栽培地。同町斎宮の竹神社には、麻の神様がまつられている。このような縁から、町は大麻栽培に公有地を3カ所、計60アールを用意。4月15日には、栽培免許を持つ農業法人が約10アールの公有地に種をまく予定だ。

 世古口哲哉町長は「大麻栽培が町の新たな産業になれば、地域の活性化につながるプロジェクトだ」と期待を込める。町は大麻栽培が軌道に乗れば、二酸化炭素(CO2)排出量削減への貢献もできると見込む。

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