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佐賀駅前の伐採危機クスノキ、移植へ 「九州」平定武将の伝説の山に


 佐賀市駅前中央1のJR佐賀駅南側の県道整備事業に伴い中央分離帯に植えられたクスノキ9本が伐採の危機に直面していたが、すべて上峰町に移植されることになった。町は6月ごろ、北部の「鎮西山」(標高202メートル)に植える。山には平安末期の武将、源為朝(1139~1170年)が鎮西八郎と称して「九州」を平定した際、山頂に城を築いたとの言い伝えがあり、町は「為朝伝説が残る鎮西山に移植し、これからもクスノキに町を見守ってもらいたい」としている。

 上峰町が24日に発表した。今後、県がクスノキを仮置き場に運び、町が6月ごろ鎮西山に植える。費用は県と町がそれぞれ負担する。

 佐賀の県木はクスノキで、その花は県花に指定され、県旗にもクスの花がデザインされている。2023年に入り計画が広く知られるようになり、市民団体「佐賀駅南の景観を守る会」が結成され、2月に伐採の中止を求める要望書を山口祥義知事と県議会の藤木卓一郎議長あてに提出していた。

 県まちづくり課によると、事業は駅と中心市街地をつなぐ場所作りなどが目的で、佐賀市が整備した駅前広場と一体化させ活用する計画だ。現在の4車線を2車線にし、クスノキを撤去して幅4メートルの中央分離帯もなくし、歩道を拡幅する。道路沿いに市の木であるイチョウも植える。

 クスノキは1990年ごろに植えられ、高さは約15メートルに成長。今後、根が舗装を持ち上げたり縁石を押し出したりする「根上がり」を起こす可能性も指摘されていたという。

 県は伐採のほかベンチなどに加工して利用するなどの方策を探ってきたが、上峰町が1月に一部の受け入れを県に提案。3月になり9本すべてを町が譲り受けることなった。

 県は駅南側の整備について2020年に市と検討会議を作り、駅周辺の地元自治会にも中央分離帯をなくすことなどを説明してきたという。

 一方、景観を守る会事務局の福島龍一さん(70)は「木にも命があり、最低限の結果は残せた」としたうえで「街づくりについて行政は、そこに住んでいる人、そこに来る人、そこを愛する人に早くから情報を提供し、幅広く意見を求めるようにしてほしい」と話している。【西脇真一】

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