文部科学省は17日、4月1日の新学期から学校生活では、新型コロナウイルス対策のマスクの着用を児童生徒や教職員に求めないことを基本とする通知を全国の都道府県教育委員会などに出した。登下校時の混雑したバスや電車などでは着用を推奨するが、合唱などの場面でも、人と人との距離を空けたり、換気を徹底したりすれば、着用しなくてもよいとしている。
政府が今月13日からマスク着用は個人の判断が基本としたことに伴い、文科省は今回、学校でのコロナ対応を定めた「衛生管理マニュアル」を改定した。
通知では、感染リスクが高いとしてきた音楽の合唱やリコーダー演奏も、前方1メートル、左右50センチ程度の間隔を空けて換気を徹底すれば、マスクなしでの活動が可能としている。給食で机を向かい合わせにする場合も、換気し、距離が取れれば「黙食は必要ない」とした。
グループワークは少人数で実施し、大声の会話は控えるよう求めている。校外学習などで、重症化リスクの高い人たちが多い医療機関や高齢者施設を訪問する際は、マスクの着用を推奨するとしている。
感染不安を抱く児童生徒らがいることから、着脱を無理強いしないことも求めており、17日の閣議後記者会見で永岡桂子文科相は「児童生徒の間で着用の有無による差別偏見などがないよう、適切な指導をしていただきたい」と述べた。
社会全体では13日からマスク着用のルールが緩和されたが、学校では学期の区切りを考慮して3月末まで、従来通りマスク着用を勧める。3月の卒業式では「教育的意義」を考慮し、特例的にマスクを着用しないことを基本としたものの、合唱や複数人による「呼びかけ」の場面ではマスクを着用するよう求めていた。
今回の通知では、4月の入学式では距離を取れればマスクを外して歌うことも可能とし、保護者や来賓らも3月までの卒業式とは異なり、ノーマスクでの参加が可能とした。【深津誠】
