岸田文雄首相は16日、来日中の韓国の尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領との夕食会を開き、「2次会」も用意する。1軒目は東京・銀座のすき焼き店に招待し、2軒目は近くの洋食店に移動し、尹氏の「思い出の味」というオムライスを振る舞う予定だ。日韓関係の改善に強い意欲を示した尹氏を異例の夕食会でもてなし、日韓関係の「雪解けムード」を演出する狙いだ。
首脳会談と共同記者会見を終えた尹氏は、妻の金建希（キム・ゴンヒ）氏とともに老舗のすき焼き店に到着。岸田首相、妻裕子氏と会食を楽しんだ。同店で食事した後、両首脳は車で移動し、同じ銀座にある明治創業の洋食店を訪れる予定だ。
尹氏が日本のオムライスを「忘れられない思い出の味」（外務省幹部）と語ったことから、日本側がリクエストに応えた。尹氏の父親は一橋大に留学していた時期があり、尹氏も訪日してオムライスを食べたことがあったという。
外国首脳との夕食会は、官邸に隣接する首相公邸で開催されるのが一般的。岸田首相が昨年5月に訪日したバイデン米大統領を東京都港区の「八芳園」に招くなど飲食店でもてなす場合もあるが、「はしごは異例」（外務省幹部）だ。
政府関係者からは「1軒目で食べ過ぎたら、オムライスは食べられないのでは」と心配する声も漏れたが、外務省幹部は「両首脳が互いにより相手を知ることができるよう店を選んだ。関係改善に向けた最初の一歩だ」と語った。【源馬のぞみ、竹内望】
